

<愛・地球博>
今、僕は3/25〜愛知県で開催されている、愛・地球博ガスパビリオン“炎のマジックシアター”という舞台にコージという役でほぼ毎日出演しています。
ご存知の方も多いと思いますが、愛・地球博は21世紀初の国際博覧会で、
世界中120カ国以上の国と企業がそれぞれの特徴を活かしたパビリオンを
出展しあって、世界中から集まるお客様に直接触れ合いながらお互いを知る
ことができる国際レベルの文化祭みたいなイベントです。
僕が参加しているガスパビリオンでは、メインショーで炎のマジックシアターという舞台、展示ホールでは“燃える氷”=メタンパイドレートなど、ガスの可能性を未来に伝える展示の2つで構成されているパビリオンです。
<ガスパビリオン“炎のマジックシアター”>
炎のマジックシアターは、炎のマジックの第1人者“炎村大源”と、かつて破門され
た兄弟子の“燃八”、そして僕が演じている弟子の“コージ”、3人が登場する物
語。内容は、「愛・地球博で、マジックショーを行う当日、本番ギリギリになって
も、肝心の炎村大源が現れない。あせる弟子のコージ。しかし実はかつて破門された
兄弟子、燃八の罠だったのだ!突如ショーに出演しなくてはならなくなったコージ。
果たしてその運命は!?」といった感じ。キャストは、お師匠=炎村大源役に津川雅
彦さん、燃八役に古田新太さん、コージ役に僕を含む、7人の若手俳優が挑んでいま
す。
<コージという役>
実はこの舞台、実際にライブで出演するのは、コージ役の青年ただ一人。つまり、僕
だけなんです。
お師匠役の津川さんや燃八役の古田さんは映像でのみの出演で、物語の始めや、
ポイントとなる部分に絶妙なタイミングで登場します。舞台はコージのワンマンショー!
1回は20分」のショーですが、そのステージを1日30〜31ステージ僕を含めた7人
のコージたちが日々ローテーションして、マジックをし、踊り、歌い汗だくになって
取り組んでいます。
<“コージと炎のマジックショー”>
コージ役をやるにあたって、選ばれた僕たち7人は約半年前から準備をしてきまし
た。マジックは実際に炎を使ったマジックを習得する為にマジック界の大御所「ヒロ
・サカイ」さんに教わり、ダンスは大人気“珍しいキノコ舞踏団」”の「伊藤ちえ」
さん、歌はボイストレーナーであり、コーラスグループ“S.I.P”のリーダーであ
る山路浩加さんといった一流の講師陣に指導を受け練習してきました。マジックシア
ターといっても、マジックミュージカルに近い舞台なんです!!僕たち7人のコージ
達は18才から31才までと年齢も経験、キャラクターが違うので結果、コージとい
う役が同じ年齢で同じ役だといっても、それぞれ個性的なコージで、現在は、舞台上
で色とりどりのショーを魅せています!!
<天国と地獄のライブショー>
炎のマジックシアターには役者にとって深刻な問題があります。それは、「暑さ!」
「夏なのに炎のショーとはどういうことだ!?」っていう大問題です。しかも、愛知
の夏は暑い!!平気で35度以上に気温が上がるんです。更に舞台上は沢山の炎が出ます。
コージ役の僕らは1ステージ終えるたびに汗だく・ビチョビチョの状態になっ
てしまうんです。暑さが半端じゃないと、たまに少し気を失いそうになります。
ただ一方で、来場するお客様の大半はファミリーや、おじいちゃん、おばあちゃん。
暑い中1〜2時間もこの20分のショーの」ために待っていてしかも、ショーをみ
て、楽しんでくれたり、応援してくれるのを見たりすると、凄く嬉しくなって、こっ
ちが幸せになってしまいます。
そんな地獄の中の天国を味わいながら僕らはもう一人に付き500ステージ以上、計
3500ステージ以上やりこなしてきました。その多くのエネルギーは毎回観に集
まってくれるお客さんからのパワーと笑顔に多く触れることが出来ることで、「この
舞台がお客様に夢を与えることができる舞台なんだ」と僕らが信じることの出来る瞬
間があるからなんだなぁ、と今は思いながら舞台に立っています!
<最も、嬉しかった瞬間&涙もろくなった僕」>
万博でのショーは、普段の舞台とは違って、観て頂いたお客様の声を直接聞く機会が
ほとんどありません。1ステージが終わったら」すぐにつぎのステージで幕間の時間
がほとんどないので舞台のように終わってからお客様とあったり、アンケートを見る
ことが出来ないのです。だから、僕らは本番中の歓声や、拍手の感じで、お客さまの
満足感を感じています。
そんな中、1ヶ月くらい前の休日。家の近くの駅で立ち話をしていると、子供3人と
母親2人の家族がワイワイこっちに向かってきました。“かわいいな、これから万博
にいくんだな”と思って」見ていると、子供たちが何かを楽しそうに言い合っている
のです!よく聞くとその言葉は『フリント・ファイアー・フゥ』、僕は嬉しくて叫び
そうになり、キョロキョロしてしまいました。『フリント・ファイアー・フゥ』とは
僕らがショーの中で使っている炎をつける魔法の言葉!それをこんな街の駅で聞ける
なんて!自分たちがやっているたった20分のショーが子供たちに何かを与えられて
いるんだ!そう実感した瞬間、僕はこの仕事をしてここにいられて良かったと思った
のです。
また別の日、その日の最後のショーが終わり、パビリオンの外のベンチで座っている
と目の前にいた家族の元へ警備員さんが迷子の子供を連れてきて受け渡すという光景
を目にしました。子供が戻ってきたとき、お母さんは警備員さんにお礼を言い、その
子の事を、「どんどん先に行ったらダメ!なんで行くの!?」と叱りました。警備員
さんが帰るとお母さんはその子に、叱りながら言いました。「あなたは声が小さいの
だからはぐれた時は「お母さん」と大きな声で言えなくては駄目!ほら、言ってごら
ん」「お母さん」という子供。「ダメ!もっと大きな声で、ホラ!」
子供は一生懸命大きく「お母さん!」そしたら、母親は「よく言えたね、エライね」
とその子を抱きしめました。その光景をボーッと見ていて、なんか涙が出そうになっ
た僕、それから、数秒後、それまで、表情を変えることのなかったその子が、いきな
り大きな声で泣き出しました。子供をなだめる母親。それを見た僕はなんだか号泣。
「いいな、万博」なんだか、初めて、「愛・地球博」な感じがしました。
こんな愛を持っているご家族に僕らは、夢のある舞台をみせているんだ!と思うと、
自分のできる限りの舞台を1回1回見せなくては!と心に強く思いました。
<あと半分!>
ガスパビリオンは先日来場者数が150万人を突破しました。万博期間も残すところ
後2ヶ月ちょっと。
来場者150万人というのは、ガスパビリオンが予想していた全期間の来場者数なので、
これはちょっとした自慢のニュースです!それでもお客様というのは不思議なもので毎
日同じものを演じているのにその回ごとに反応や、喜ぶ箇所が大分違います。それ
は、その日の天気や、湿度、時間帯、そのときのお客様の年齢層や、気分、会場の雰
囲気などによってまったく変わるようでこれは今までも劇団で舞台に立っていて少し
感じては」いたが、実際毎日、色々な時間に舞台に立つ経験をすることで「こんなに
も違うのだ」と実感できていることは本当にいい経験になっています。
そんな中、役者として心がけていることは「毎回毎回、その目の前のお客様と共に
ショーを創っていく」という事。「お客様が、役者が舞台上で演じていることを感じている
のと同じように、こっちもお客様のことを感じて一緒に共通の時間を過ごそう」、僕は今、
この事を最も大切に」しながら舞台に上がっています。
それは、
その時、そのお客様とだけしかつくれない素敵な時間を過ごしたい!ということなん
です。そうは言っても、毎回毎回が最高とは言えず、反省も一杯するのですが・・
・。
ただ、他のパビリオンとは違いロボットがショーをするのではないので、“生”の人
間がライブをする!そのステージで凄いのはきっと、お客様が感じるだけでなく、僕
も、お客さんや、空間を感じられるんだという事♪だから僕は1回1回のショーでお
客さんから感じられる全てのことを大切にできる役者になりたい!そして、それを良
いものとしてショーに繋げて行きたい!!
残り半分は、もっともっとお客様と、「あたたかいもの」「ふれあい」を感じあえる
ショーを演っていきたいと強く感じながらショーをやっています。
ガスパビリオンははっきり言うと何か凄いもの!というのはあまりないパビリオンか
もしれません。ただ、生の人間がショーをする!という点においては最もお客様と
“ふれ愛”のある愛・地球博”ならではのパビリオンだと思っています。ポイントは
ただ、若者がガスパビリオンで炎のマジックをやっているだけではなく、それが物語
の一部になっている点!そこにはコージという“若者の成長”のお話が描かれている
事。若者の成長の瞬間を目の当たりに体感できるのは万博中でこのパビリオンだけだ
と思います。
先日、映像出演して頂いている“津川雅彦”さんが激励に来てくださってこうおっ
しゃていました。「『フリント・ファイアー・フゥ』は幸せを運ぶ言葉だ!みんなで
もっとこの言葉を大切にしていこう!!」
舞台というのは、文字で書かれた夢を現実に観せる事のできる空間です。役者はお客
様に夢を現実にして目の前に見せられる職業なのです。
万博もあと半分を切った今、残りを役者として、できる限りの“夢”をご来場頂いた
お客様に見せられたらとおもいます!そして胸をはって東京のみんなの元へ帰ろう。
これを読んだ皆様、良かったら1度、愛知万博へ!ガスパビリオン“炎のマジックシ
アター”へお越しください!一緒に素敵な時間を過ごせたら幸せです☆それではま
た!
2005 7.20 久保木 秀直
☆お知らせ
8/1にNHK総合の「ほっとイブニング」という番組でガスパビリオンの密着取材が報道されます。久保木も登場するとこことですので、ぜひ御覧になって下さい。