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古本バイト道【第11回 「サブレで買われた女・・・」】

■■古本バイト道■■ 第11回 濱野奈美子

 10月1日から6日まで、早稲田青空古本祭でした。今回は番外編として、
古本祭の話を書きたいと思います。メルマガの編集長も「店番日記」に
書いていたし。そんなわけで、今回は番外編。現在の話です。

 お客さんとしては、即売展の初日ってなんとなく行きにくいんですよね。
ちょっと私なんかおよびじゃないって気がしてしまうので。だからなんと
なく、いつも後半のほうになってしまって、時には最終日なんてことも
珍しくなくて、本屋さんに「ダメだよ、もっと早く来なきゃ」とか言われて
しまいます。

 穴八幡には4日の月曜日に行きました。あいにくの雨で、平台にはみんな
ブルーシートが掛けられてしまっていて、ちょっと寂しい感じです。こそこそ
と「私、客ですから」みたいな顔で棚を見ていたのに、やっぱり見つかって
しまいました。「今日は誰のバイト?」とか言われちゃうし。私だって本買うん
ですってば。お財布には4000円しか入ってませんけど、これで全財産ですけど、
なにか? 

 一通り棚を見終わって、さすがに全財産は使えないので2枚だけ帳場で出して、
おつりをもらいましたが、まだその後に控えている仕事の打ち合わせの時間
には早い。所在ない感じで帳場のところにいると、「バイトしてけば?」の声。
いや、働くのはやぶさかじゃないですけどね。どうせ暇だしと、思ってたら、
「これ、持ってけば?」とココナッツサブレを差し出されました。ココナッツ
サブレ1袋で買収される女…なかなか切ないものがあります。
 
 結局、お客さんが立て込んでしまったときだけちょっと働きました。
「ありがとうございました」とお客さんを見送ると、後ろから「割引券ちゃんと
渡した?」とつっこみが。ふっふ〜ん。「ちゃんと渡しましたよ」と勝ち誇った
顔で答えましたけどね。

 ちなみに、そのココナッツサブレは2日間私を生きながらえさせてくれました。
尊いなぁ、労働。


☆著者プロフィール------------------------------------------------

濱野奈美子(はまの・なみこ)
フリーライター。長い古本バイト経験を生かして『アミューズ』の古本特集や
『古本 神田神保町ガイド』(共に毎日新聞社)などで活躍する。本業のライ
ターでは古本だけではなく、サッカー、食べ物なども。なんでも来い。
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2004年10月25日

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