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早稲田で読む早稲田で飲む【第13回】

第13回 青空古本市と早稲田祭 南陀楼綾繁


 去る5月10日から15日まで、早大本部の正門を入ったあたりで、
早稲田の古本屋さん14店が参加して、「青空古本掘り出し市」が
行なわれた。ぼくも当然行くつもりだったが、初日が大雨で、翌日
からは仕事場から抜け出るコトができず、泣く泣く諦めた。
古書現世の向井くんのハナシでは、今年も売り上げ は好調だった
とのこと。

 この「青空」っていつ頃からやってるんだっけ? と調べると、
今年で8回目だった。最初は1997年だというが、行ったかどうか
覚えてない。とにかく気がつけば、毎年5月に構内で古本市を
やってたというカンジである。

そもそも、古本市もその一環である、5月の「オール早稲田
文化週間」というイベント自体が、よく判らない性格のものだ。
東大の五月祭みたいに自主的な性格ではなく、新入生向けとも
云えない。ぼくは第2回(1998年)に「見世物小屋の文化誌」
というのを観ている。見世物研究家の鵜飼正樹氏らの企画で、
人間ポンプ・安田里美の一座を記録した映画の上映と、シンポ
ジウムが行なわれた。

「オール早稲田文化週間」は、毎年秋に行なわれていた大学祭
である「早稲田祭」(第1回は1953年)が1996年に中止になり、
その代替としてはじまった。早稲田祭中止の原因は、学祭の広告費
を、特定の学生団体(革マルですな)に横流ししたとの疑義が
大学側から出されたためだった。でも、そんなコトをいまさら
持ち出さなくても、早稲田祭が革マルの資金源だったことは、
早大生なら誰でも知っている。ナニしろ、学祭期間、学生が構内
に入るためには有料のパンフレットを買う必要があったのだ
(アホらしいから、ゴミ箱からパンフを拾って入場していたが)。
それに、ぼくが属している民俗学研究会にとって、学祭の休み期間
は長期で民族調査を行なえるチャンスだ。だから、早稲田祭の記憶
はまるでない。

 そういうワケで、早稲田祭にナンの思い入れもないぼくは、青空
古本市が開かれるというだけで、「オール早稲田」をひいきにして
きた。穴八幡での秋の古本市に比べれば小規模だけど、BIGBOXより
はイイ本が見つかりやすい。仕事で必要な資料は、ずいぶんココで
買ったなァ。

 その後、早稲田祭は2002年に復活し、今年も行なわれる。だから、
「オール早稲田」は今年からなくなったのだが、古本市は「早稲田
大学支援事業」という名目で継続するコトになった。コレは嬉しい。
ふだん大学に足を踏み入れない(図書館は別の場所にあるので)
卒業生としては、ときどき思い出にひたれるいい機会だ。今後も
続けてほしい。

ところで、青空古本市の行なわれる辺りで、1988、89年頃
(だったと思う)、学費値上げに反対する学生が数人、何カ月も
テントを張ってハンストをやっていた。そんなコトをいま、
ふっと思い出した。


☆著者プロフィール--------------------------------------------------------
南陀楼綾繁(なんだろう・あやしげ)
1967年、出雲市生。1986-90年、早稲田大学第一文学部に在学。
現在、ライ ター・編集者。「sumus」「サンパン」「本のメルマガ」などの同人として、
本 に関するあれこれを書き散らす。
世界初(自称)の古書目録愛好フリーペーパー 「月刊モクローくん通信」を発行中。
問い合わせはメールで。kawakami@honco.net
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2004年10月05日

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