
第1.5回 <第1回番外編> 渡辺 伸作
「地方のLRV調査〜岡山編その2〜」
▲木をふんだんに使用した車内。吊革がなくスッキリしている。 |
▲運転室との間に仕切りがなくワイドな展望が楽しめる |
乗車してまず驚いたことはドアにステップが全くなく、本当に地面すれすれなのである。よくこれで走行できるなと感心してしまう。次に驚いたのはインテリアのゴージャスさである。椅子や床には天然の木を使用しているのだ。日本古来の「和」を思い出させてくれるような室内で、なんとも落ち着きがある。天井の照明もいままでにない見付けできれいである。
デザイナーはドーンデザイン研究所の水戸岡 鋭冶氏が担当した。今の鉄道業界に詳しい人でこの方を知らない人はおそらくいないだろう。JR九州の車両等のデザインを担当しており数々の名車を輩出してきた。水戸岡氏は岡山に縁がある方で岡山電気軌道から今回の依頼を受け、引き受けてくれたのだ。
列車は乗客を乗せてからすぐに発車した。どうやら上下線、数分遅れているようだ。岡山駅前を出てから6車線道路の真中を軽やかに走っていく。もちろん信号では停車。もう市民の人たちはこの顔に慣れてきただろうか。途中の柳川で清輝橋線と別れた。
岡山電気軌道は山駅前を起点として東山線と清輝橋線の2系統がある。今日、自分が乗った「MOMO」は東山行きだった。前述であげたように「MOMO」は1編成しかいないため日にちによって行き先を決めている。現在のところ東山線は月、金〜日、清輝橋線は火、水で運行している。(ただし、検査等で若干変わることもある)
県庁通りに入り道路の幅も少々狭くなってきた。県庁前に到着。ここで大半の乗客が降りた。ちなみにここまでの区間が100円でここから先、終点の東山までは140円である。
電車は旭川を渡る途中三大庭園、後楽園をバックにしてゆっくりと走っていく。渡り終えた列車は道路の真中に安全地帯の停留所を置けない個所もあり道路の窮屈さを感じた。
終点の東山に到着。ここには岡山電気軌道の車庫や営業所がある。それから岡電資料館が徒歩すぐのところにあり、MOMOグッズも販売しているので足を運んでみてはどうだろうか?

▲終点の東山に到着したMOMO。 窓が本当に大きい。
◆今後の政策
岡山市内の交通量は全国的にみて高い。これは市外に環状道路が整備しきれていないというのが大きな原因で、市内を介してからでないと行けないエリアがあることから昼夜渋滞にみまわれている。バスは定刻通り到着できないことがしばしばある。こうしたなか岡山市は少しでも交通量を減らし他の公共機関を利用して排気ガスの緩和や経済効果を促すため「パーク&バスライド」や路面電車(岡山電気軌道)の延伸を計画に入れている。路面電車は現在の清輝橋から延長して岡山大学医学部附属病院やJR宇野線、大元(おおもと)駅まで延ばせないかと協議している最中である。病院の前からLRVが走ればどれだけ患者が助かるだろうか。「MOMO」は現在のところ増備の予定はない。が、延長すればもしかしたら増えるかもしれない。LRVこそ地球にやさしく人にやさしい21世紀に必要な乗り物だと思う。今後のLRVの発展を願って筆を置くことにする。
▲前面がユニークな広告電車 |
▲留置線で折り返し待ちのMOMO |
<参考文献>
鉄道ジャーナル2002年8,9月号 鉄道ジャーナル社
Composer : 渡辺 伸作 Editor : 星 貴洋
Cooperation with 岡山市役所,岡電資料館
☆著者プロフィール----------------------------------------------------
城西大学鉄道研究会
1975(昭和50)年頃?創立。現在、学内の正式登録会員は9名で学外にも数名の
構成員を持つ。
主な活動は鉄道模型(Nゲージ)や鉄道写真、鉄道旅行など各々の得意分野を生か
した自由な活動を行っており、年2回会員有志による自由参加の合宿や冬季・春季
休暇を利用したJR・私鉄などの車両基地見学を随時行うなど、魅力的なイベントが
毎年企画されている。 また、11月に開催される学園祭「高麗祭」では鉄研随一の
規模を誇る巨大鉄道模型レイアウトの展示や、会員の自由投稿を中心に年1回
発行されている会報誌『フライング東上』の販売を行っており、毎年多くのギャラリーから
定評を得ている。
現在、新規会員を募集するとともに、貸切列車の運行も計画中である。
☆城西鉄研HPへ⇒
-------------------------------------------------------------------