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俳優・演劇・早稲田【第4回】

―第4回目「“文化の街「早稲田」の想像”その2」
演劇の街「ワセダ」を語るその2― 久保木 秀直

[人気がほしい!]
 今、僕の周りには集客数が1000人程度の“忍耐の時期”を過ごしている劇団がゴロゴロいる。
 それは、僕が今25歳で、大学を出てから2〜3年という最も、“プロになりたい”という事に対して、熱い時期であるからかもしれないが、どの連中も「自分達のやっている事が一番おもしろい!」と思いつつも、「このままやっていてホントに人気が出るのだろうか?」という不安を抱えながら演劇をやっているようだ。そしてそんな中で、かたや数組の劇団が雑誌等の“マスコミ”に取り上げられたりして、一早く人気を博していき、かたや結構な数の劇団が解散や活動休止になってしまった。

  「本当におもしろい芝居をしていれば、いつか人気劇団になるようになる。」僕達は皆、そんな思いで芝居をつくっている。そして、きっとそれは間違ってはいないと思うのだ。が、しかし、劇団は、動員数1000人位で集客力の伸び悩みが生じるとどうしても何か“起爆剤”を求めるようになるようなのだ。
 例としてわかりやすいのは、マスコミの力などである。実際、僕の周りでも、ある程度の時期からマスコミが取り上げて、それがきっかけとなって騒がれ始め、マスコミ主導のような形で人気を得ていった劇団が少なからずある。これは、“演劇”というもの自体がまだまだ一般には届き辛いもので、演劇に興味のある人達も“演劇情報誌”などのマスコミが推薦するものを頼りに観にいく。というような事が当たり前の状況なのだから、マスコミが劇団の人気を左右する力をもってしまうのは当然なのかもしれない。だから、どの劇団もマスコミに対するマスコミ対策に余念がなくなるのもしかたが無い事だとも思う。
  ただ、僕は思うのだ。「本当は、観客が熱狂してて、毎回公演を打つたびに倍倍にお客が増えていっているから、マスコミが聞きつけてやってきて、その劇団を紹介する。」というような“観客主導”の人気の出方が、本来は理想的ではないだろうか。


[劇場をつくろう!]
 そこで、提案がある。「早稲田に劇場をつくろう!!」である。具体的には、一公演の総動員数1000人〜2000人を対象とした、“学生劇団の人気劇団への登竜門”的劇場である。
  早稲田を始め、東京中の学生劇団は、まず始めにこの劇場を目指すのだ。しかし、この劇場で芝居を打つのは動員数1000人は超えていないとできない為、数ある学生劇団の中でも“トップクラス”の劇団が集まってくるのである。
  そして、この劇場でお互いさらに凌ぎを削るのだ。さらには、例えばそれを“一律1500円”で観られるようにしてしまう!というのはどうだろう?!そうすれば、学生の観客も離れていく事はないだろうし、何時行っても「おもしろい芝居が1500円で観れる」のだから、劇場に対するファンも付くはずである。そしてその劇場はいづれ、きっと、演劇における“早稲田のシンボル”になっていくのだ。
  そうなると次第に演劇などに興味のある“ハイセンスな若者”などが「なんか面白いもの見たいなぁ」と思った時に、下北沢、新宿の劇場や、大人一枚1800円 の映画ではなくて、“早稲田の劇場”にくる。というような事になるのではないか?
 そうしたら、早稲田の街に対する波及効果も期待できる。学生の街→文化的な若者の街へと変貌し、活気づくきっかけとなるかもしれない。劇場は“人気劇団の発信基地”としてのポジションを不動のものとするはずだ。マスコミだって注目するはずである。
 実際は一律1500円という料金設定は、きっとかなりの問題があると思うが、“未来の早稲田文化の発展を促す文化事業”として、学生+街の方々+大学+東京都etc・・・など色々な人が折り合いを付けつつ協力しあえればこれだってきっと不可能ではないだろう。今なら、都知事は“石原慎太郎さん”だ。“都認定の大道芸人”をつくっ た石原さんである。東京都に話をするにはいい時期かもしれない。


[早稲田のシンボル]
 いろいろ話してしまったが、とにかく“学生演劇の聖地=早稲田”が、“演劇の街” になっていくには、街の“劇場”という“シンボル”がなくてはならないのだ。
  現在、僕と同じこの “ワセダサイドウォーク”上で、DUCEの沼田氏が、“早稲田松竹復活プロジェクト”というコラムを書いている。僕は沼田氏とは直接面識はないのだが、僕自身はこの“早稲田松竹復活プロジェクト”の動向に非常に興味がある者の一人である。それは、「早稲田松竹」という映画館の存在は、早稲田の映画好きにとっては、1つのシンボルであったと思うからだ。
  そこでだ、いっその事“「早稲田松竹」を映画・演劇・音楽・美術”など早稲田文化の拠点となる多機能スペースにしてしまうというのはどうであろうか?
  具体的には渋谷にある“東急文化村”の早稲田版のようなものである。けれども、向こうは“しっかりしたプロの作品”を公開するのに対し、こちらは “これからを担う者達の作品”を公開していくのだ。もし、このような事が現実化すれば、それは間違いなく文化的な“早稲田のシンボル”になるはずだし、前に書いたような早稲田の“学生の街→若者文化の街への変貌”、横手氏の言っていた “早稲田の魅力的なコンテンツのつながり”などの問題も飛躍的に前進していくと思うのだがどうであろうか?
 
  演劇・映画・音楽・美術・スポーツ・マスコミ・古本屋街・政治・ラーメンetc・・・など早稲田には本当に様々な魅力ある文化的コンテンツが散らばっている。もし、それらが「文化の街」という形で、“シューッ”となる事が出来たら、きっと、「古都=京都」・「ディズニーランド=浦安」・「南国=沖縄」などのように外国の人から見ても分かりやすい「文化の街“ワセダ”」という魅力的な街が形成できるはずだ。
  横手氏が、「早稲田古本ネット」を始め、沼田氏が「早稲田松竹復活プロジェクト」を始めたようにきっと、それぞれの分野で“早稲田を大好きな人たち”が実はいろんな事を考えたり、行動したりしているのだと思う。
  横手氏や、沼田氏は今回の僕のコラムを読んだら一体どのような感想を抱くのだろうか?そして、多くが「早稲田」や、「古本」がらみで流れてくるであろうこのHPで、偶然にこのコラムを読んでしまった方々!!も しも思う事があったならその方の意見も聞いてみたい気がするのだ。


☆著者プロフィール---------------------------------------------------
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久保木 秀直(くぼき ひでなお)
S.52年 茨城県生まれ、千葉県育ち。早大在学中、早稲田大学演劇倶楽部に所属。演劇を始める。innerchild,INSTANTwife,ロニーロケットなどの公演に参加。
98年、CMディレクターでもある演出家、塩田泰造のユニット“JALOPY”に初参加。以後現在に至るまで、ほとんどの塩田作品に出演。2000年より、歌と踊りと芝居の融合をコンセプトにしたバンド、霞町楽団の立ち上げに参加。霞町楽団のボーカル 兼演出・構成・振り付けなどを担当。バンドでの名前は「まろ」。ここ数年の目標は、「日本一の芝居を打つこと!」その為毎年正月には、初詣に行って、お祈りするのが習慣。 現在はフリーで活動中。
★所属劇団『大人の麦茶』ホームページ
http://www.otomugi.com/
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2004年09月16日

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