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店番日記【その14】

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10月15日(火)
一ヶ月近く日記をさぼった。催促のメールをくれたお客様がた、申し訳ございませんでした。 とりあえず、さぼっていた間の最大の出来事「早稲田青空古本祭」について一気に書きます。

(2002.10.15.)

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9月30日。
 本の搬入の日。雨じゃないか。しかも聞くところによると台風が近づいてきているとか。 なんだか「関東で戦後最大級」とか。昨年も初日は雨だった。実行委員会の役についている人間にとって残酷なことである。半年以上準備をやってきて、始まってみればこれである。
 こう書くと落ち込んでいるように聞こえるかもしれないが、少しすれば水溜りに人を落としたりして遊んでいるのだから問題なしなのである。 赤帽の運送屋さんにピストン輸送してもらって、どんどん本が運び込まれる。台車に乗せてビニールシートをかぶせて運ぶ。みんな慣れているので早い。これだけは凄いな。
  2時から「吉田照美のやる気MANMAN!」の中継。仕事中なのにみんな休んで聞いている。広報部なので私が出演。みんな仕事やれよな。休むなよ。恥ずかしいから。無事「やるまん羊羹」をいただき終了。 雨なので文庫コーナー、テント外の台は並べられず。6時には並べ終了。終わったら雨やんでやんの。 でも明日は期待できないなあ。

10月1日。
 初日。中途半端な雨。台風くるのかね。やはりお客さん少ない。当たり前か。昼ごろには少し増えてきたが、初日ということを考えるとなあ。でも自分がお客さんだったら行かないですよ、絶対。
  3時くらいになると東京ドームでの野球が中止と聞く。古本祭やってていいのか、と思う。
  やっぱりというか設営会社から、直撃の場合テントが危ないと連絡がはいる。なんとテントをたたむとか。どうするんだよ。これは初めてのケースだ。6時ごろが危ないと情報がはいる。結果「5時で終了」が決定。 さて、どうするか。だってテント無くなるんですもん。基本的には台を特大のビニールシートで何重にもかぶせることに。心配な人は一度撤収することに。帳場は完全撤収。車に備品などを全て積み込む。 いやあ、びしょ濡れだ。会場担当は台風通過予定の午前1時くらいまで会場に居残り。ごくろうさです。
  でも深夜まで起きていたが、結局たいして降らなかったようだ。 売り上げは雨で駄目だった昨年の半分。激減。「首吊るか、ハッハッハッ・・・ハ〜ッ」といった感じ である。

10月2日。
 快晴だ。素晴らしい!でも朝7時集合。眠い。設営会社の人も大変。7時に来たらもうテント立ってましたからね。
  まずは帳場作り。何か変な気分。二度目の設営。でも「今日が初日」という雰囲気になるのでいいかも。そしていよいよ文庫コーナーとテント外の台の並べ。ようやく完全な姿で営業できる。 やはり天気がいいのでお客様も多い。夕方にはかなりのお客様が。売り上げもいい。とくに文庫の売り上げは凄い。ちょっとビックリ。でも昨日の売り上げロスは痛い。経費、大丈夫なのだろうか。
  ラジオを聴いて来場の方多数。番組内で私が「髪が逆立っていてホンジャマカの石塚似(体型だけだが)」 と言われていたので、知らない人に声をかけられる。「聴きましたよ!向井さんですよね!」とか言われる。 しかもほとんど女の子なので恥ずかしい。まあ、でも効果があってよかった。さすが「やるMAN」である。 感謝!

10月3日。
 またまた快晴。暑いぐらい。今日から目録注文品の発送作業。また勝手に責任者に任命される。 便利屋かよ。目録編集部から広報部へ。そして発送作業係へ。成長魚じゃないんだから。 もくもくと伝票書き。ただ帳場のシフトからはずれるので、勝手に行動しても解らなかったりする。 疲れたからさぼって風呂入りに自宅へいったりする。内緒なのだが。 そんなときに限って急にとびこみ取材が入る。「どこいってたの?」「知り合いの人が・・・」。 売り上げは今日もがんばった。ふんばってほしい。まあ初日の事があるから駄目なんだけど。

10月4日。
 花の金曜日。凄いっす。高い本がバンバン売れてる。棚に本が入るなあ。期待できそう。 日本テレビの取材。明日放送分の画撮り。早朝の番組だが、時間に関係なくテレビの効果が絶大なのは今までで証明ずみ。
  「国史大辞典」を別の場所に移して撮ってたら出品主の店主さんから「売れたと思ったじゃないか」 と言われる。すみませんねえ。
  自分は伝票書きの続き。こういう活気のある時は帳場のほうが楽しいのに。 最終的に実質初日の10月2日を上回る売り上げに。テレビ放送もあるし週末の明日が勝負。 会計から「もしかしたらもしかするかも」の声も出たぞ。


10月5日。
 朝テレビを見た人が「おい、撮ってた「国史大辞典」出なかったぞ」の声。顔には出さなかったが笑った。
  早速テレビを見てきた人たちが来場。なんで解るのかといえば、普段古本屋に来ない人で、マスコミ媒体を見てきた お客さんは「○○見たんだよ」と言ってくれる人が多いのだ。何故かは解らないが。週末ということもあって会期前の新聞やテレビの情報を見た方の来場も多いと帳場から報告。
  そういう方が多いので、会場を歩いていると「値段てどこについて いるの」とか「ヒモで結わいてあるのは全部まとめて売ってるの」とか普段の即売展ではまず聞かれないことを聞かれる。 これが一番嬉しいですよね。足を運んでくれたんですもん。「神田に本屋いっぱいあるって聞いたんだけど」って質問を受けたりもする。今の時代、こういうお客様を呼ばないと絶対に売り上げでないですからねえ。ありがたいです、本当に。  
  途中、見回りから報告。伝票張替えらしき人物が出現。高い本と安い本の値札を張り替えるという古典的な手口だ。 (万引きのほうが簡単な気がするが・・・ってこんなこと言ってはいけないですね)遠くから見ているとあきらかに その人物が抜いた本の札が無くなっている!しかもポケットから札が見えたという。ただこの時点で声かけるのも・・・。 エプロンを取った見回り出動。一人が狙っていると思われる本を隠した。戻ってきたその人物、凄い探してる。そっと戻すとすぐに手にとった。戻した本の値札が消えた。間違いない。さっきから何度も目が合う。あとは現場を押さえるのみ。 ただなかなかやらないんだよなあ。(やらないでほしいけど・・・)
  結局本を戻して帰った。札の無い本2冊を残して。 ある本屋さんが「伝票マニアじゃないか(笑)」だと。それならそれで笑えるけど。
  売り上げでた。最高金額。5日目が最高金額ってなんだか凄い。昨年に追いつけるところまで来た。



10月6日。
 最終日。今日は大学休みですからね。純粋に来場いただいているお客様ばかり。文省堂さんが昨日、週末用にと「ぬいぐるみ」とか持ってきたのだが、それをかかえる子供がチラホラ。
  この神社、水で手を清めるところ(名称知らず) がセンサーになっていて、人が近寄ると自動的に水が出るようになっている。親子が近寄ってきた。子供は小学校低学年 ぐらい。「あれー、凄いねー水出てきたよ」とお母さん。「上。センサーあるじゃん」と子供。凄いですな。
  4時になると文庫片付け。邪魔になるので、早稲田の本屋のものは直接店に運んでしまうことに。 5時。いよいよ終了。搬出作業なのだが、これがまた早い。むしろ急ぎすぎの感も。60過ぎた人たちが若手と同じ働きしてるんだもんなあ。テントと台だけを残して終了。電気が消えると真っ暗。長かった。みんな無言で暗がりを見つめていた。
  気になる売上げは・・・計算日の明日発表なんだって。

10月7日。
 朝から計算。一喜一憂。以外に無表情の人が怪しかったりする。売れたことを悟られないようにしている可能性が。横目で人の売り上げ表見ている人も。
  まあ、みんな平均して売れたようでよかった。 古書現世も昨年よりよかったです。よかったよかった。 気になる全体の売り上げは・・・昨年に少し届かず。こうなると台風がうらめしい。せめて普通の雨ならなあ。 でも、この不景気の中本当にありがたい。惨敗が頭によぎっていたので嬉しさもひとしおだ。
  午後、境内の掃除。静かな神社が戻ってきた。 ご来場いただいた皆様、目録でご注文いただいた皆様、「古本共和国」に執筆いただいた皆様、 青空古本祭を紹介いただいたマスコミの皆様、そして開催にあたりご協力をいただいた全ての皆様に心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。


☆著者プロフィール-------------------------------------
向井透史(むかい・とうし)
1972年新宿区早稲田生まれ。
古書店「古書現世」二代目。
早稲田青空古本祭記念目録「古本共和国」編集長。
※目録希望の方は⇒k-gensei@nifty.comまで
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2004年09月01日

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