
9月7日(土)
早く大学はじまってくれないだろうか。
遠くから出てきてくださったお客様に大量に買っていただく ことだけが夏場の楽しみである。暇なので一日が長い。いや、やらなければならない仕事はたく さんあるのだが。つい「月曜日から・・・」なんて夏休みの宿題を後回しにする小学生のように なってしまう。夕方には「すいません、この間とってもらっておいた本さ、悪いけどキャンセルで」 とか電話かかってくるし。一日は長いが、月日の流れは早い。もうすぐ9月も3分の1が終わるのだから。
9月5日(木)
今年の早稲田青空古本祭の記念目録「古本共和国」に執筆いただいた扉野良人さんが来店。雑誌「sumus」をご覧のかたならご存知だと思います。 京都にお住まいなのだが上京され、早稲田の出版社のEDIに寄った帰りだとか。 扉野さんは年齢が私のひとつ上。なんだか嬉しい。
やっぱり業界や友達以外で若い方に会う機会が少ないので(笑)。あまり時間がなかったのでたくさん話せず残念。 午前中にお客さんに理不尽な要求をされて嫌な気分になっていたので、いい気持ちで一日を終えることができてよかった。扉野さんありがとうございました。
9月4日(水)
「変わったねえ・・・」静かな店内にため息が静かに響いた。
早稲田大学を卒業して40年。それ以来の早稲田だとか。聞けば静岡から見えたらしい。「目印に、と思っていたものがみんな無い」。そうだろうと思う。私の幼いころの記憶にある早稲田も今とは全く違うのだから。みんな綺麗に なった。ビルが建った。 せっかくだからと近くのお店でコーヒーを頼み、話を聞く。
家業を息子さんが継ぎ、 一段落したので念願の早稲田行きを決行したのだとか。「来なければよかったかなあ・・・昔の記憶のま までいたかったかなあ」 「大学には行かれたのですか」「いや、これから行こうと思っていたのですが・・ ・」
私にはこの方の気持ちが解るべくもないが、どんな気持ちで上京してきたかと思うとつらいものだ。「いやあすまないね、暗い会話になってしまった。これ買ってくよ。この本は私が学生の時にもあった。欲しくても買えなかったんだ」
古い文学書を買われて帰り際「大学に行きます。見てきます」「ええ」「私の地元も変わったんだ。早稲田が変わらないわけないんだ、ねえ」
40年ぶりの大学はどのように映ったのだろうか。
9月3日(火)
「いやあ、いい本があるねえ。うーん」というお客さんあり。20分ほど前述のセリ フをいいつつ棚を見て いたのだが、そのままお帰りに。これはなに、ホメ殺し?
9月2日(月)
ついに店番に戻ってきた。
前回の「日記」お休みはパソコンの故障。今回は自分が故障(笑)。 8月のはじめに突然の腰痛。椎間板ヘルニアの再発だと思ったのだが、検査をしたら骨盤がずれて筋肉と骨に坐骨神経が圧迫されての痛みだという。椅子に座れないので店番もできなかったのだ。 まだ完治はしていないのだが、椅子に座ることができるようになったので今日から店番に戻ることにしたのだ。
今日は様子見で夕方だけ。 夏休みということで売上げは全く駄目だったらしい。さあ、とカウンターに座って10分後、お客様が大量にお買い上げ。久々に包装をする。
自宅に戻り、そのことを話すと「そうだ、お前が店番したほうが売れよきっと、そう だそうだ!」と 言うものの、それはあきらかに「丸々一ヶ月働いて疲れたから早く治せ」ということだと解るのであった。
☆著者プロフィール-------------------------------------
向井透史(むかい・とうし)
1972年新宿区早稲田生まれ。
古書店「古書現世」二代目。
早稲田青空古本祭記念目録「古本共和国」編集長。
※目録希望の方は⇒k-gensei@nifty.comまで
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