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映画を楽しむ100の方法【その2】

■第2の方法 2003.02.14 松岡厚志

映画飽和時代に生きている。
あまりにもたくさんの名作がありふれていて、どれも観たいが、どれから観ればいいのかわからない。

その指針が雑誌だったりラジオだったりするのだろうが、 どうしても、情報は「旬」なものになりがち。
「新しい」というウリをもつ封切り映画に比べると、過去の名作は、チョイスしたくなる「ウリ」を見つけにくい。 データベースは充実していても、検索機能に乏しいのだ。
小気味良くセレクトしてくれ、 映画初心者を導いてくれるナビゲーターがいれば、どれほど心強いことか。

名画座スタイルが減少していく中で、「映画館」こそが情報発信の拠点として、粋なセレクトをしてくれたらいいのにな、と思う。
「あそこに行けば楽しい」という「場」の機能を、映画館は本来、果たすはず。 新作を取り揃えるシネコンだけでは、あまりに寂しい。

どこそこの国の映画特集だとか、監督ごとにまとめた特集だとか、主演俳優ごとにまとめた特集なんかは、今のミニシアターにもよく見られる。
しかし、切り口そのものに「新しさ」を見出せば、古いものも、新しくなる。
つまり上映作のラインナップに「編集術」を駆使すれば、「名画座」が「名画座」として復権し、映画観賞の楽しみを倍増させてくれるだろう。

『明日に向かって撃て』を観た。年始のテレビで観た『スティング』に感動し、 監督と主演が同じコンビ、ということで観た。

「逃げる男たち」にシビれた。緊張感と隣り合わせに明日も知らぬ我が身を楽しむ、「男らしさ」を見た気がした。

ピンときた。 「逃げる男」の特集なんてどうだろう。『大脱走』とか『ショーシャンクの空に』とか、逃げることに美を感じさせる映画。

こういう切り口は、アリだ。劇中人物の「行動」に照準を合わせるラインナップ。

「女の豊満ボディに我を失う男」特集。
「最後の最後にヘマをやらかす奴」特集。
「よく見たらウィンクができてない奴」特集。

編集次第で限りなく、粋なラインナップが可能だ。

映画飽和時代に生きている。
映画に飽きたわけじゃない。
ただ、過去を見逃したくないだけだ。
歴史を素通りしたくないだけだ。

セレクトショップ的感覚の映画館。
どこかにないなら、僕が作ろう。

(2003.2.14.)

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松岡厚志 プロフィール
動きながら考えて、書く。元気印のフリーライター。
兵庫県西宮市に映画館を本気で作ろうと活動中。
インターネットを駆使したリアルタイム・ドキュメンタリー 「ニュー・西宮・パラダイス」を
毎日連載、すでに100回超。
http://axis.milkcafe.to
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2004年07月30日

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